吹奏楽雑誌への投書集(掲載されたもの)


私が「Band Journal」(バンド・ジャーナル)誌(音楽之友社刊)の、
「ひろば」という読者投稿欄に投書し、掲載されたものです。





【 課題曲演奏の質を高める方法を、改めて考えてみた 】
(平成10年1月号)



 B・Jの読者の皆さん、こんにちは。

 私は、新潟県の「十日町市民吹奏楽団」という市民バンド(今は事情があって休団中ですが)と、地元のリコーダーアンサンブルに所属しており、今までに吹奏楽コンクール課題曲の作曲募集でコンデンス・スコアの審査が4回通過になったことがある者です。

 私が属する新潟県中越地区というところの今年(注:平成9年度)の吹奏楽コンクールを聞いて、大変残念に思ったことがありました。それは、中学校の部の課題曲・自由曲を演奏する部門の演奏で、どのバンドも課題曲の演奏が自由曲に比べて音楽的に未熟で、私の主観ですが、当日の中学校の課題曲・自由曲演奏部門の出場団体のうち、課題曲のほうが自由曲に比べて良い演奏をした団体は、1団体もなかったように思いました。

 これは、中学生にしては課題曲が難しいのではないかということなどの、いろいろな原因が考えられるところです。しかし、私が思うには、課題曲の譜面が発売される時期は毎年3月下旬からですが、これでは各都道府県のコンクールまで約4ヶ月しかなく、中学生には練習できる期間が短すぎて厳しすぎるのではないかと思い、それが前述の結果を招いた一つの原因であるように思えます。

 自由曲の場合は、極端な話をすれば、その気になれば前年度のコンクールが終わった時点から、次の年のコンクールに向けて曲を決めて練習ができるわけですが、課題曲はそうはいきません。
 課題曲作曲の募集は1次審査の締め切りが6月で、12月に東京佼成ウインドオーケストラによる参考演奏が録音されているようで、それまでに決定され、そのビデオ・CDとともに譜面が翌年3月下旬から発売されているようです。

 私は、この募集や録音の時期を繰り上げることによって、譜面を発売する時期を早めることができると思います。

 コンクールの課題曲の演奏の質を高めるために、特に中学生のバンドのために、課題曲の「募集→決定→録音→譜面発売」という流れの時期を全体的に繰り上げて早め、もう少し早く譜面が手に入るようにするとよいのではないかと私は思います。コンクールで少しでも良い演奏をしたいと願うのは、全てのバンドに共通していることですから。




 ・・・・・・ この投書が掲載されたのが平成10年1月号で、その後、今までは毎年3月下旬から課題曲が発売のところを、平成12年の課題曲から、前年12月下旬から発売となりました。

 もちろん、こんな投書1つで発売時期が動いたとも思えませんが、全国的にもこういったようなお考えをお持ちの吹奏楽指導者の方々も多かったのではないか、と推測されます。この投書の意向どおりになって、私は嬉しかったですね(^^)。


 (注) 平成21年度は課題曲の楽譜・CDの発売時期がその年の2月下旬からになり、平成22年度からは1月下旬からになりました。





【 楽器を始めて1〜2年でも演奏できる課題曲を望む 】
(平成12年3月号)



 BJの読者の皆さん、こんにちは。

 私は、平成10年1月号に、「課題曲の演奏を高める方法を改めて考えてみた」というタイトルで、「ひろば」に掲載された者です。当時は一般バンドで活動しており、現在は地元のリコーダーアンサンブルで活動しています。そして、コンクール課題曲の作曲募集で、コンデンス・スコアの審査を今までに4回通過になったことがあります。

 掲載されたときの私の意見は、従来の「3月下旬に課題曲を発売する」では、中学生にとってコンクールまで約4ヶ月しかなく、演奏することが厳しいので、もっと発売を早めるべきである、ということでした。その意見に沿った形となって、2000(平成12)年の課題曲は前年12月に発売となり、大変嬉しく思いました。

 今回意見したいのは、課題曲は平成8年の募集(すなわち平成9年の課題曲)から、「楽器を始めて1〜2年程度の生徒でも演奏できる、技術的にやさしい曲」という条件がつきましたが、それにしては相変わらず課題曲が難しい年がある、ということです。現在でもこの条件があまり考慮されていないような気がしてなりません。

 先日発表された平成12年の課題曲も、難しすぎる曲ではないと思いますが、1〜2年程度では・・・・・・という気がしております。たとえば、平成11年の「レイディアント・マーチ」は、ハーモニーでの装飾音譜などが出てきており、作曲者には申し訳ないのですが、これがはたして「楽器を始めて1〜2年程度の生徒でも演奏できる」かどうか、その課題曲が発表された当時は、はなはだ不安に思いました。

 課題曲は、中学生も演奏する関係上、その条件をつけることは私も賛成なのですが、それにしては選ばれた曲が必ずしもその条件に沿っていないのではないかと思い、残念です。

 やさしい曲が課題曲になったとしても、大学・職場・一般バンドに対しては、審査のうえで中学生よりも基準を引き上げればと思います。また、部門が上に行くほどやさしすぎるならば、昭和52年までの課題曲のように、演奏部門ごとに分けて課題曲が設定されても、私はかまわないと思います。

 私は、平成2年から毎年課題曲の作曲募集に応募させていただいているのですが、私が応募する曲は常にやさしい曲で、「楽器を始めて1〜2年程度の生徒でも演奏できる、技術的にやさしい曲」という条件は完全に守っているつもりです。もちろん、この条件自体が抽象的であり、どの程度の曲がこの条件に該当するか、作曲者によって意見が違うということもあろうかと思いますが、今後は作曲する側も選定する側も、もう少しこの条件のことを考慮して、多くのバンドのことを考え、やさしい曲を課題曲とするようにしていただきたいと思っております。




 ・・・・・・ この投書は平成12年3月号に掲載され、バンド・ジャーナル編集部のほうから、「今回の試みが、どのような結果を出すか、見守りたいですね。」というコメントをいただきました。平成14年の課題曲(スコア、音源)が、私は予約をしたので平成13年12月中旬に手に入ったのですが、私は、平成14年の課題曲は技巧的にやさしく、ようやくこの条件にかなってきた感があるのではないか・・・と思いました(^^)。

 しかし、この投書はたしかにバンド・ジャーナルに全国掲載されたのですが、ホームページで公開させていただくと、「では、児玉さんの曲は本当にその条件にかなっているのですか?」と言われそうな気がし、それが少々怖いのですが(^^)、結局これは、投書の中にも書いたとおり、そもそも「条件が抽象的」であって、「具体的にこのように」ということではないわけなのですね。

 しかし、私の持論は、吹奏楽コンクールというのは、支部大会や全国大会に出場しているような、一握りの優秀なバンドだけのためでは決してなく、全国にはたくさんのバンドがあり、コンクールに「参加する」ことはどのバンドでもでき、全てのバンドのための技術修練、発表の場であるわけです。であれば、中学生から一般まで共通の課題曲で演奏(昭和53年度の課題曲からは毎年)するのであれば、課題曲は「どこに照準を合わせるか」ということになると、当然、中学生でも演奏できるレベルでなければならないと私は思います。その意味で、私はこの投書の中の「1〜2年程度・・・」という条件が平成9年の課題曲から導入されたのは大賛成で、しかし、それにしてはその後の課題曲が・・・と思い、投書に踏み切りました。

 平成15年からの課題曲(すなわち平成14年からの公募要項)は「大学・職場・一般バンド専用」の課題曲として、吹奏楽曲の開発目的で「課題曲V」が設定されています。そして平成21年からの課題曲(すなわち平成20年からの公募要項)は「高校・大学・職場・一般バンド専用」の課題曲として、従来の「朝日作曲賞」と分離されて「全日本吹奏楽連盟作曲コンクール」で「課題曲V」が設定されています。ということは、課題曲T〜W(楽器を始めて1〜2年でも・・・)と、課題曲X(技術的な開発目的)は、技巧的な違いが当然出てきます。

 皆さんは、どうお感じになられるでしょうか。是非ご意見、ご感想等をお聞きしたいです。お気軽にBBSに書き込みやメール下さいね。




【 コンクール ”一般の部” の、人数無制限の継続を望む 】
(平成14年10月号)



 私は、学生時代と一般バンドで吹奏楽を経験し(トロンボーンを吹いていました)、現在はリコーダーアンサンブルをやっています。作曲・編曲が好きで、吹奏楽コンクールの課題曲作曲公募には毎年応募しており、昨年は佳作に入賞でき、課題曲として採用の一歩手前になりました。いつかは採用を夢見て、毎年頑張っています。

 ところで、今年(注・平成14年)の全日本吹奏楽連盟の通常総会(長野県にて)で、吹奏楽コンクール一般の部における参加人数制限について議論されたそうです。一般の部は数年前から人数無制限が続いており、安全対策とスムーズな運営をめざしての協議があり、制限の是非をめぐって意見がかわされたそうです。そのことに関し、私の考えでは一般の部に昔のように人数制限を設けることについては絶対反対です。

 学生の部ならば高学年から順に出るなどの措置がとりやすいですが、一般の部ではそれができません。もし、似たようなことを行うと、コンクールのメンバーかどうかなどで、団員間に優劣などが生じる恐れがあります。

 一般の部は、学校で吹奏楽を経験した人の受け皿としての活動の場という性格も強く、学校を卒業後、音楽が好きで楽しく活動をしたいという人たちも入っています。

 私が一番心配しているのは、人数を制限することにより、コンクールの練習に参加できない団員が大勢出て、ひいてはそれが全国のアマチュア吹奏楽団の発展に影響を及ぼしてしまうことが懸念されるのではないか、ということです。

 学生時代の吹奏楽経験者が、卒業後に今度は学校、先輩、後輩の枠を超え、一般の市民バンドとして共に活動していくということは、大変に素晴らしいことです。その意味で、一般の部の人数制限が撤廃されたときには大いに感動し、大賛成でした。ですから、私はこの一般の部の人数無制限はとてもすばらしい制度であると感じています。今後も末長く、ぜひ継続していただきたいものであると私は思っています。




 ・・・・・・ 平成14年の私の投書です。編集部のほうから、「一般バンドの皆さんはどう思っていらっしゃるのでしょうか。ご意見をお待ちしております。」というコメントをいただきました。

 私は、一般の部の人数無制限という素晴らしい制度は、吹奏楽コンクールが今後も続く限りは永遠に継続を望んでおり(^^)、昨年の全日吹連の通常総会で、人数制限の是非が言われたそうでしたので、驚いて投書した、というわけでした(^^)。

 残念ながら、一般の部の人数は平成15年から80人以内、そして現在は65人以内と定められてしまいました。結局この趣旨はコンクールを運営上の準備にあるらしく、例えば100人編成のバンドの次の順番が35人編成になると譜面台やイスの出し入れがあまりに大変になり、スムーズな運営ができなくなるということのようです。

 しかし、私は一般の部は是非また人数無制限に戻していただきたいと思っており、それを期待したいです。






ご質問等がありましたら、お気軽にBBSに書き込み またはメール下さい。